加齢による「関節の痛み」引き起こす2種類の筋肉 「使わない」のも「使い過ぎる」のも痛みの原因に

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運動を「やり過ぎてしまった人」も「怠けてきた人」も、どちらも加齢とともに筋肉の力が弱り、関節の痛みが出るのが普通です。あなたがどちらのタイプにしても、ほとんどの人は日常の生活や姿勢で、筋肉の使い方がアンバランスになっています。

アンバランスというのは、使い過ぎのクタクタ筋と、使わな過ぎのダラダラ筋の両方があるということです。姿勢が悪くて肩こりになるのは、肩甲骨の前がクタクタ筋で、背中側はダラダラ筋になっている、アンバランスの典型例です。

クタクタ筋もダラダラ筋も、ほうっておいて「いい状態になる」ことはありません。むしろ節々の痛みが増していくだけです。やがて体のあちこちを動かすことが難しくなり、日常生活が危うくなります。少しずつ痛みが増して、当たり前にできていたことがどんどんできなくなる……。できれば避けたい事態ですよね?

(出所:『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

「ダラダラ筋」を起こして「クタクタ筋」をケアする

あちこちの関節が痛むのは、そこの筋肉が「クタクタ筋」か「ダラダラ筋」になったからだとも言えます。

徐々に起こってきた関節痛は、怠け癖のついたダラダラ筋に包まれた関節の周辺から出る痛みです。怠けて眠っているダラダラ筋を起こさない限り、関節の痛みは治りません。クタクタ筋も、自分自身が弱っているのですから、そのままでは関節を守ることができないままです。

かつて、筋肉は歳をとったら弱くなるだけだと信じられていた時代がありました。20代をピークに、その後は衰える一方だと聞いたことがあるのではありませんか? けれども近年の研究によって、どんなに歳をとっても筋肉は鍛えられることがわかっています。

65~75歳の男女と85歳以上の男女に長時間の運動トレーニングをしたところ、その効果に差が認められなかった、という研究もあります。大人の体でも成長できるのです。もちろん、老化は避けられません。けれども、「老化」と同時に「成長」することはできるのです。

高齢であっても、痛みがある状態をマイナスだとしたら、マイナスをゼロに戻すだけではなく、ゼロからさらにプラスに右肩上がりの成長カーブを描くことを目指していいのです。

だいじょうぶ、きっとできます! こんな声を聞いたことがあります。若い頃から、体を動かすことよりも、家の中で手芸をするほうが好きだったという70代女性。少し太り気味だということもあるのか、10年ぐらい前から、少し動くとひざが痛むようになったそうです。

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