加齢による「関節の痛み」引き起こす2種類の筋肉 「使わない」のも「使い過ぎる」のも痛みの原因に
一戸建てに住んでいますが、階段を上がるのが大変なので、2階に住む息子さんの部屋には、もう何年も行っていないそうです。ご主人が亡くなってからは、散歩に連れ出してくれる人もなく、外出らしい外出は本当にしなくなったそうです。
息子さんから「歩いて7分なんだから、スーパーぐらい自分で行くほうが体にいいよ」と言われるそうですが、そう言いながらも買い物に行ってくれる優しい息子さんに頼りっぱなしだそうです。
ひざを動かすと痛い。痛いから動かないようにしている……、よくわかります。動かさなければ、痛むことは少ないですからね。
でも、本当に今のままの生活でいいのでしょうか? 家の中なのに、行けない所があるのは寂しくありませんか? スーパーで、自分の手で取ってお買い物をしたいはずです。本当は好きなだけ家の中を歩き回って、スーパーにもご自身で行きたいと思っているのではないかと想像すると、胸が痛みます。
大丈夫。動かしていなかったところを、少しずつ、優しく動かしていくことで、ひざの痛みを軽くすることはできます。
「寿命」も「健康寿命」も縮めてしまう筋力の低下
関節痛がある人は、痛みを避けるために動かなくなりがちです。あなたは、そうなっていませんか?
でも、そのまま動かないでいると、体の活動量が減って運動不足になり、その結果、筋肉の力(筋力)が落ちます。弱くなってしまった筋肉は、「関節に適度な刺激を与えて、関節を守る」ことができなくなります。「関節を支える」ことも難しくなり、結果として関節痛がますます悪くなるという悪循環に陥ります。痛みから解放されるために、どうか筋力を落とさないでください。
筋力の低下は、関節痛であなたをつらくさせるだけではありません。筋力の低下は、あなたの「寿命」を縮めます。筋肉の量が減ると、さまざまな病気にかかりやすくなるからです。研究でも、筋肉量の割合が高い高齢者ほど、死亡リスクが低いことが報告されています。
筋力の低下は、あなたの「健康寿命」(健康上の問題による制限がなく生活できる期間)も縮めます。たとえば、筋肉が減ると転倒リスクが高まり、1度転ぶと寝たきりになってしまうこともあります。それで長生きができたとしても、「寿命」と「健康寿命」の差が大きくなるばかりです。
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