オリンパス「CEO突然辞任」で後継探しの苦悩再び 1年前にトップを譲った竹内会長の胸中やいかに
3人はいずれも社外取締役。社内取締役ではカウフマン氏が委員に名を連ねていたがCEO辞任と同時に外れた。竹内会長も指名委員からすでに外れており、後任CEOの選出には関与しないとする。
オリンパスは指名委員会のメンバー構成について、「社外取締役のみとしている意図はとくにない」とする。
ただ、企業不正問題やガバナンスに詳しい山口利昭弁護士は一般論と前置きしたうえで、「指名委員会が社外取締役のみで構成されるのは、重大な不祥事があったときなど特殊なケースを含め、かなり限定的」と指摘する。
指名委員会の決定は取締役会で覆すことはできない。それだけに「社外取締役の3人に後任CEOの選出を委ねた意味は大きい」(山口弁護士)。
報酬委員会はどう判断する?
現取締役会で社内取締役は竹内会長と監査委員の大久保俊彦氏の2人。そのほかに11人の執行役、7人の執行役員がいるが、「明確な候補としてのサクセッションプラン(後継者育成計画)の進展がそこまで行っていない」と竹内会長は話した。
もう1つ山口弁護士が指摘するポイントがある。報酬委員会の動向だ。
カウフマン氏がCEOを辞任するまでの2024年度の報酬は「規則にのっとって議論し、最終的には報酬委員会で決定する」とオリンパスは説明する。一方で、役員としての重大な不正や義務違反があった場合に報酬を会社に返還させるクローバック条項を同社は定めている。
カウフマン氏は2023年度に年間11億円を超える報酬を受け取っていた。この2023年度分については「報酬委員会で条項適用について議論するかどうかは未定だが、諸般の事情を考慮のうえ、適切な対応を取る」としている。山口弁護士は「報酬委員会で今後きちんとプロセスが踏まれるかが重要」と指摘する。
オリンパスの変革に奔走してきた竹内会長の意思を継ぐリーダーは現れるのか。そして突然のCEO辞任という騒動にどう決着をつけるのか。その行方から目が離せない。
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