売却といっても、この広さと築年数では簡単に買い手も見つからないだろう。残置物がそのままの状態ではなおさらである。
この家で生まれ育った依頼者にはそれなりの思い入れもあるが、これからさらに大変になっていく妻の世話などを考えると早いうちに手放しておきたい。自分の力で初めはなんとかしようとしたが、気が遠くなるような作業だった。そして、もともとYouTubeを見て知っていたイーブイに依頼をすることにした。
「何から手を付けたらいいかわからない」人がまずするべきこと
片付け1日目は6人のスタッフ、2日目は9人のスタッフでひたすら残置物を運ぶ。2階の倉庫には長年の埃が舞い、視界を遮った。布団、スプリングマットレス、シーツ類が何組もあり、さながら旅館のリネン室のようだ。昔の家は親戚が大勢で泊まりに来たときに備えて、寝具が大量にあることが多いのだ。
昭和30年代の雑誌や阪神淡路大震災当時の新聞も出てきた。その阪神淡路大震災で、当時この家は大きなダメージを負ったという。次の世代に家を残すため、大工に頼んで柱から新しくしてもらった。部屋に残る歴史に、作業中のスタッフの手も止まる。
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