1階部分の荷物はすでにあらかた運び出されており、残っているモノはすべて処分となる。ただ、2階の物置には大量の残置物があり、まずはそれらをすべて外に運び出すところから作業は始まった。屋根裏に続く階段は傾斜が急で幅も狭い。モノを運び入れるのも大変だったはずだが、当然、運び出しも重労働となった。
4代続いた実家のお屋敷を売却する理由
直近までこの家に住んでいたのは、依頼者の夫婦とその娘の3人だった。先祖代々受け継がれた家は、この夫婦で4代目となる。訳あって家を引き払うことになったが、4代分の荷物が溜まりに溜まったお屋敷を自分たちだけの力で片付けるには無理があった。
なぜ、家を引き払うことになったのか。依頼者の男性がその経緯を話す。
「私は去年の3月までずっと現役で仕事していたんですが、(定年を迎えて)退くことになりました。その後は妻とゆっくり旅行でもしようかなって話していたんですが、私が仕事を引退した途端に妻の持病の糖尿病が急に悪くなりまして。もう、ずっと世話せなあかんような状態になってしまったんです」
依頼者の夫婦には、娘のほかにもう一人息子がいる。息子もしばらくは一緒にこの家に住んでいたそうだが、「住みづらい」という理由から近くに引っ越していった。広いとはいえ、「田の字」に並んだ和室と洋室はふすまでしか仕切られていないのだ。
「相続のこともありますし、負債なんかもあるんでね。その返済やら何やらを考えたときに、“お父さんの決断次第やな”って家族みんなに言われまして。壊して建て直そうにも資金的な問題でそれは難しい。名残惜しい気持ちもあってしばらく考えとったんだけど、思い切って売却しようと」(男性)
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