しかし、そのときに「今日はかわいいですね」と口にすることはないでしょうか。
一見、問題がないように思われますが、「今日は」という表現には注意が必要です。
「いつもは違うけど、今日は」というネガティブな意味で伝わることがあるからです。
この場面では、「いつもそうだけど、今日も」といったニュアンスを伝えることが大切です。一字の違いでも受け取られ方が大きく違います。
また、「かわいい」という表現も気をつけたいフレーズの一つです。基本的に目上の人に使う言葉ではありません。
ともすると「見下されている」と感じられてしまいます。
利用者はお客様でもあります。
外見を褒めるときは、「今日もすてきですね」と言い換えたほうがベターです。
お願いは提案のかたちでする
利用者が安全上のリスクがある行動をしたとき、心配する気持ちから、つい「○○しないで」「○○はダメ」と、行動を否定・禁止する言葉を使っていないでしょうか。
強い口調で否定的な言葉を使って指示するほうが、相手に伝わると考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
こうした言葉は、「スピーチロック(言葉の拘束)」と呼ばれ、介護の現場では避けるべきものの一つとされています。
否定的な言葉では、誰もが不快な思いをするだけで、言葉を素直に受け取ろうとは思いません。
場合によっては、萎縮したり、反発したりすることもあるでしょう。
利用者のなかには、認知症の影響により、なぜ自分が否定的な言葉を投げかけられているのかの理解が難しい人もいます。
こうした経験が積み重なると、利用者は、スタッフに対して嫌悪感を抱き、話をまったく聞いてくれなくなることさえあります。
大切なのは、利用者の意思を尊重し、「○○しましょう」「○○しませんか」という提案のかたちでお願いをすることです。
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