「一人で歩かないで」親へのその声掛け、要注意 介護現場で身に付けたい「ステキ言い換え術」

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利用者は、自分のことを心配しながらも、意思を尊重してくれるスタッフに信頼を寄せ、言葉を受け止めようという気持ちになります。

何よりも、利用者のできることを尊重する「自立支援」につながります。

努力を認め、共感する

×な伝え方:みなさん頑張っていますよ
○な伝え方:〇〇さん、頑張っていますね

励まされたり、共感してもらうことは心のエネルギーになります。

自分の頑張りを「知ってくれている」「見てくれている」「認めてくれている」と感じると、さらなるモチベーションにつながります。

自分のことを理解してくれる存在がいるだけで、人は安心するものです。

励ますときに注意したいのは、「みんな」という言葉を使わないことです。

便利な言葉なのでつい使いがちですが、人は他人と一緒くたにされたり、比較されるより、「自分自身」を見て声かけをしてほしいもの。「みんなも頑張っているのだから、あなたも頑張って」と、「みんなの当たり前」を前提として、他人と比較するような発言を避けることが大切です。

そのため、リハビリやケアの場面で励ましたり、共感したりするときは、その人自身にフォーカスした言い方ができると効果的です。

一方、利用者のほうから「みなさんはどうなのですか?」と聞かれたときは、「人それぞれですよ。〇〇さんのご希望をお聞かせください」と本人の声に耳を傾けます。

励ましには、相手の力になりたいという思いがある一方、「もっとこうすべき」と相手を変えようとする意図が含まれることもあります。

知らず知らずのうちに押しつけないように気をつけたいですね。

いかがでしょうか。

ふだん口にする言葉を少し工夫していくことで、利用者とその家族、そしてスタッフ同士の関係性をよりよいものとし、働きやすい環境をつくることできるはずです。

介護のステキ言い換え術: 利用者・家族・スタッフに信頼される
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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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