スガキヤ「ラーメン+ソフトクリーム」が定番の訳 塩気のあるラーメンの後に食べたくなる仕掛け

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いつもは「ラーメン+ソフトクリーム」を頼むことが多いが、「特製ラーメン+クリームぜんざい」を頼んだこともある。この2品で910円だ(注文当時)。奮発気分だったが、千円でお釣りがきた。

スガキヤを代表する、もうひとつのロングセラーが「クリームぜんざい」だ。店の前身である“甘党の店”(通称)からの伝統を受け継ぐのは、これと「あんみつ」ではないだろうか。両商品とも300円程度で頼める。

「クリームぜんざいの小豆(あずき)は、北海道産大納言の希少品種を使っています。上にのるソフトクリームがさっぱり系なので、甘みのきいた小豆とのバランスで人気の品です。

小豆の品種にこだわるのは、香りの良さと、小豆らしい濃い味が出せるからです。小豆の旨みを残しながら渋みを抜く、独特の製法で炊き上げています」(同社)

工場生産で手頃価格を実現

なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか? (プレジデントムック)
『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか? 』(プレジデント社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

この小豆の提供を裏で支えるのが、グループ会社・寿がきや食品の本社工場だ。一般に食品工場の役割をひとことでいうと、「安定生産と大量生産」になる。

全店で日々提供される料理も食材の供給がないと成り立たない。スガキヤの店が手頃な価格で提供できるのも、同工場の大量生産によるスケールメリットがあるからだ。

食の欧米化が進んだ現在は違うが、もともと日本の食文化は和食を中心に成り立っていた。愛知県や名古屋市は喫茶王国ともいわれ、(全国の喫茶店店舗数が全盛期の半分以下となった)現在も店が多いが、店が激増したのは戦後の高度経済成長期から。それまでは「甘味処が多かった」と聞く。スガキヤの前身の店もそんな時代性を反映している。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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