スガキヤ「ラーメン+ソフトクリーム」が定番の訳 塩気のあるラーメンの後に食べたくなる仕掛け

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また、日本の喫茶文化の歴史と向き合うと、戦後に喫茶店が復興して隆盛となったのは昭和30年代以降の高度経済成長期(1955~1973年まで)からだ。それまでも人気店はあったが、東京などの大都会を除くと喫茶店の店舗数は少なく、当時の都市部の女子学生は「甘味処で友人とお茶をしていた」と聞く。

昭和の喫茶店で出されたケーキやプリンなどのスイーツは欧米由来だが、甘味処で出されるのは和スイーツが大半だ。食の欧米化が始まる十数年前、通称「甘党の店」は、時代が求めていたのだろう。

スガキヤの甘味は、どこか懐かしく、舌を噛みそうなメニューもない。「甘味食堂」の基本を踏まえ、おしゃれ系に振らないのだ。

ソフトクリームはあっさり味仕立て

スガキヤで「ラーメンとミニソフト」を注文したところ、店員さんから「ソフトクリームは後にしますか?」と聞かれた。ラーメン後にソフトを食べる人が多いのだろう。

マスコットキャラクター“スーちゃん”が右手にラーメン、左手にソフトクリームを持っているように、ラーメンとソフトは二大看板だ。

名古屋文化の影響が強い東海三県で育った40代以上の人は、子ども時代に「親に連れられて大型スーパーに行き、スガキヤの店で食べた」という経験を持つ人が多い。

昔も今も、スガキヤのソフトクリームは北海道旅行で食べるような濃厚な味ではない。

「ソフトクリームは動物性ではなく植物性油脂を使い、あっさりした味です。ラーメンの後を甘味でシメるというお客さまも多いです」(同社)

スガキヤ
(写真)『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』より(撮影:上野英和)
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