「いつかは地元へ」香川を愛する25歳の東京ぐらし 困難な未来でも家業を継ぐことに迷いはなく

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
海野勝大さん
海野勝大さん/25歳。香川県出身で大学院で経営学を学ぶ。現在はマーケティング専門企業で経営コンサルタントとして修業中。将来は地元、香川県にUターン予定だ(撮影:今井康一)

海野さんの実家は香川県で地元企業向けのユニフォームの製造業を営む。祖父の代から続く会社で、現在は父親が引き継いでいるそうだ。

祖父も父も東京の大学で学んだ後、地元に戻ったという経緯がある。「僕も大学から県外に行くことは、既定路線として意識していました」という海野さん。

関西学院大学を経て、明治大学大学院のグローバルビジネス研究科で経営学を学ぶために上京した。海野さんが明治大学を選んだのは、学問を身につける他にも個人的な理由があった。

祖父の写真など
キャビネットには祖父の写真、そして家業の名刺があった(撮影:今井康一)*一部を加工しています

「すでに亡くなっているのですが、祖父が明治大学出身だったんです。せっかく経営について学ぶなら祖父の母校で学びたいと。入学試験のときは祖父の遺影を胸ポケットに入れて、かばんにはお骨を入れて臨みました。無事合格でき、祖父も喜んでいると思います」

「四国の人口は30年後には30%減」でも…

大学院で修士課程を終えた後に、海野さんは現在働くマーケティング専門企業に就職した。都市圏で学んだ我が子が、いずれ地方の実家に戻ることを望む親は多い。しかし結局子ども世代は都会暮らしが軌道に乗り、地元に戻らないというパターンも多々あるだろう。それが地方過疎化の一つの原因にもなっている。

「そうだと思います。特に四国は人口減少が深刻で、2050年には今よりも30%人口が減る見込みだって言われているんです。東京で大学を出ても、地元ではふさわしい仕事がないとなると、戻りにくいですよね。

僕だって例外ではないです。実家は地元の人を対象にした制服や作業服の卸なので、四国で働く人が減れば、ビジネスチャンスがゼロではないにしても、じわじわ売り上げは下がっていくでしょう」

本棚
本は経営に関するものがほとんど「祖父の書棚にも経営本がびっしりとありました。まったく及ばないですね」(撮影:今井康一)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事