佐々木朗希のMLB移籍、大谷翔平との決定的な違い システムの問題だけではない「認められる」条件

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譲渡金は、ここまで選手を育成したNPB球団に対しMLB球団が「育成費用」を支払ったとみなすことができる。見方を変えればNPBはMLBを「マイナーリーグ化」したとみなすこともできる。

ただし、ポスティングシステムで、メジャー選手として契約する(「メジャー契約」)ためには元のリーグで「少なくとも6シーズンプレーをしたうえで、満25歳以上である」必要がある。

(写真:筆者撮影)

昨年オフにオリックスから移籍した山本由伸はNPBに7シーズン在籍し、25歳になったオフにポスティング移籍しドジャースと「メジャー契約」を結んだ。

年限、年齢が未達でもポスティングシステムで移籍することは可能だが、その場合「メジャー契約」はできず、「マイナー契約」からのスタートとなり契約金は大幅に下がる。元いたチームへの「譲渡金」も、契約額に応じて少額になる。ポスティングルールは、基本的には「キャリア6年、25歳」が大前提になっていると言ってよい。

大谷翔平は23歳のオフにポスティングで移籍

ただし大谷翔平は、キャリア4年目、23歳のオフにポスティングでエンゼルスに移籍している。

大谷翔平の場合、2012年のドラフト時に「MLBに行くからドラフトで指名しないでほしい」と言っていたにもかかわらず、日本ハムが「強行指名した」という経緯があった。大谷は「MLBに挑戦するためには、NPBで体力、技術を身につけてからのほうが有利だ」という日本ハム球団のプレゼンテーションを受けて翻意し、入団を決めた。

だから、日本ハムは、「マイナー契約」によって少額の譲渡金しか受け取れない「25歳未満」のポスティングシステム行使をのまざるを得なかったのだ。

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