文芸評論家・三宅香帆「自分の好き」を貫く生き方 人生の節目にはいつも「本」があった

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2024年5月には、かねてから興味のあった母娘問題を扱った『娘が母を殺すには?』(PLANETS)を出版したのですが、このテーマで本が書けたことは、自分にとってはすごく自信になりました。

三宅さんの本棚。年間、約500冊もの本を読む(写真:Womantype編集部)

ありがたいことに、さまざまなジャンルでお声かけいただいて、続々と本を出させていただいている今は、「祭り」のような状態です。仕事のお話は、基本的にはメールでご連絡いただいて、どのような本を出すかという相談をしていく感じです。

仕事を通じて知り合った方からお話をいただくこともありますが、飲み会などで人とつながることがあまり得意ではなくて(笑)SNSやこれまで出した本で知っていただいて、仕事を頼もうと思ってくださった方に全力で応えるというやり方が、私には向いていると思っています。

日記は非公開ブログサービスを使って書いている。日記を読み返すと過去の自分を客観的に見られるのだとか(写真:Womantype編集部)

「何がほしいのか」の答えは自分の中にある

私の20代を振り返ると、「自分が何がほしいのか」を明確にしてきたことが、キャリアをつくってきたように思います。

それこそ、結婚するかどうか、お金を何に使うか、どこに住みたいか……。20代の頃って他人と自分を過度に比べてしまうし、他人によって自分の欲望をも左右されがちですよね。私もそうでした。

でも、ほしいものは一人ひとり違うはず。人と比べずに、自分が何がほしいのかを考える時間を20代のうちに持つことが大切だと考えていました。そして、「何がほしいのか」の答えは、自分自身で出すしかありません。

実は私は、幼い頃から人の言うことを聞かない子どもだったんです。友だちにも、「こんな頑固なやつ見たことがない」と言われるくらい頑固で、親も半ば諦めていたんじゃないかなと(笑)

私の場合は、「人の言うことを聞かない」というのは、「人の評価を気にしない」ということ。どんなに人の評価を気にしても、他人は表面的なことしか見ていません。調子がいいときはほめてくれるけれど、悪いときにはけなされることもある。だから、他人の一時的な評価は聞かなくてもいいかなと思っています。

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