名作ゲーム「ロマサガ」大胆不敵のリメイク術 原作の"尖り"を抑制、一般的なRPGの仕様に接近

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しかし、リメイク版『ロマサガ2』はとにかくわかりやすくして、じっくり育成するようなゲームにする仕組みを用意し、ふつうのRPGにかなり寄せている。もちろんキャラクターやストーリーはそのままなのだが、思想がまったく違うゲームになったといえる。

リメイク作品は誰のために?

3D化したキャラクター
原作はドット絵だったが、キャラクターも3D化しており、かなりアニメ調のかわいらしい雰囲気に。ボイスもついている(画像:任天堂)

ゲームをリメイクする場合にはいくつかの方向性がある。まったくそのままにグラフィック品質などを上げることもあるし、原作の意図をうまく拾いつつしっかり手を加えるものなど、手法はさまざまだ。

リメイク版『ロマサガ2』はとにかく遊びやすくしており、作家性とでもいうべきものが抜けている。原作のとっつきにくさを含めて好きな人からすると衝撃ではあるが、一方で商売としては理解できる。

このリメイク版を遊ぶのは、当時原作を遊んだ40~50代前後の人たち、そして過去の名作を触ってみようと新しく触れる人たちだろう。かつてゲームを楽しんでいた人たちに、いま尖っているRPGをプレイする気力はあるだろうか? ただ昔を懐かしむのであれば、むしろ穏やかに遊べるほうがいいだろう。

新しく入る人たちにも、入門しやすいほうがよいと考えられる。ゆえに、ある意味ではプレイヤーのほうを向いたリメイクといえるだろう。もっとも、ここから『サガ エメラルド ビヨンド』のほうに流れていくとは考えにくいほど方向性が違うのだが。

いずれにせよ、リメイク版『ロマサガ2』は表面的な雰囲気こそ原作そのままに見えるが、中身を大きく変えた大胆不敵な作品といえるだろう。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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