日米の世論調査はいったいどこまで正しいのか 「10.27衆院選」「11.5大統領選」をリアルに読む

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3年前の衆院選では「自民党単独過半数ギリギリ」などの予想もあったが、結果は「絶対安定多数」。11月5日はアメリカの大統領選挙もあるが、世論調査をどこまで信じていいのか(JMPA 代表撮影)

いやはや、大変な時期を迎えている。

この週末、10月27日はわが国では衆議院議員総選挙、そして来る11月5日はアメリカの大統領選挙と議会選挙である。日米の選挙が10日以内に接近していて、いずれも不透明極まりない、ということがかつてあっただろうか。

2021年の衆院選では多くのメディアが「大外れ」

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。記事の一覧はこちら

とりあえず日本の総選挙は間もなく結果が出る。メディア上では「自民党大敗」という予想が飛び交っていて、石破内閣は総辞職に追い込まれる、選挙後は新たな連立工作が始まるぞ、などと気の早い声もある。

しかるに皆さん、3年前の衆議院選挙のことをもうお忘れなのだろうか。あのときは世論調査が大外れだったのである。

2021年10月31日に行われた前回の総選挙では、NHKが午後8時時点で「自民党は単独で過半数(233議席)に届くかどうかギリギリの情勢」と伝えたものだ。ところが翌朝になってみたら、自民党はなんと261議席と絶対安定多数を超えていた。逆に立憲民主党に関しては、「選挙前の109議席から議席を増やす勢い」と報じたが、実際には13議席減という結果に終わった。

翌11月1日の新聞各紙はおおわらわだった。朝刊は各版の締め切りごとに、見出しや文章の修正を迫られた。岸田文雄首相の写真は当初は暗い表情のものが使われていたが、最後は笑顔のものに切り替えられた。

これで「ウチだけが間違えました」ということなら責任問題になるけれども、「皆がそろって間違えました」となると反省もおざなりになってしまう。世論調査は重要な社会インフラだと思うのだが、そろいもそろって大外れであった。ところが当事者たるメディア各社は深く反省した様子もなく、3年後になったら似たようなことを繰り返している。こんな報道には、うかつに乗せられてはなるまいぞ。

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