和田秀樹が解説「脳が衰える習慣・活性化する習慣」 試練が訪れやすい高齢者こそ楽天主義を徹底

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たとえば、なにか新しいことに挑戦して、思わしくない結果に終わったとします。

そのときは失敗した自分を責めるのではなく、「新しい一歩を踏み出せたなんて、なかなかのものだ」と自分自身を褒め、気持ちを高揚させるのです。

このように「自分で自分を励ます」ことを習慣として持っている人は、脳やメンタルにとって理想的な環境を作り出せることはもちろん、士気高く物事に取り組めるので、結果的にいろいろなことがうまくいきやすくなるでしょう。

社会心理学の実験でわかったことですが、疑い深い人は、意外にも騙されやすくなる傾向があります。マイナス思考の人は、基本的に「他人はすべて悪」という考え方を持っているため、誰が詐欺師なのかを見抜けないためです。

高齢者の方こそ、楽天主義を徹底すべき

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一方、日頃から楽観的に物事をとらえ、「基本的に世の中は生きやすく、他人は優しいもの」と思っている人は、不審な点がある人物に対し、かえって違和感を抱きやすく、詐欺被害にも遭いづらくなるのだと言います。

このように、後ろ向きな思いにとらわれることは、洞察力や観察力を低下させるという弊害もあるのです。

私は、人生のさまざまな試練が訪れやすい高齢者の方こそ、楽天主義を徹底すべきだと思っています。物事の一面しか見ない「単眼思考」はうつ病にもつながりやすくなりますから、さまざまなものの見方ができる「複眼思考」も心がけたいものです。

ぜひ、光のほうに目を向けて、明るく物事をとらえるようにしてみてください。「自分にはあれも、これもある」と足し算思考ができる幸せ探しの名人は、脳も心も、みるみる元気になっていきます。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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