和田秀樹が解説「脳が衰える習慣・活性化する習慣」 試練が訪れやすい高齢者こそ楽天主義を徹底

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トヨタについても同様です。同社の工場では、「カイゼン」を合言葉に、「この作業台を3センチ高くすれば作業効率が上がるのでは?」という仮説に基づく検証が、日々繰り返されています。

トヨタにも、何事もやってみなければわからないという企業風土があるのです。これが、同社が世界で活躍し続ける強さの理由の一つと言えるでしょう。

人生は毎日が実験です。はじめから結果がわかっていたら面白くないし、どうなるかわからないからこそドラマに満ちているのでしょう。まずは何事もやってみる、そんな精神で、脳と心を若々しく保ちたいものです。

疑い深い人ほど騙されやすくなるのはなぜか

先のページで触れた「トラブルを楽しむ」にも通じますが、とにかく、物事を前向きにとらえるということは、脳の若さ、賢さにも大いに影響をもたらします。

前頭葉の特徴の一つに、「快の体験」を好むというものがあります。つまり、わくわくと楽しい気持ちでいるほどに、脳は活発に働き、頭がよくなっていくということです。

反対に言えば、後ろ向きな思いにとらわれ、うつむきがちに人生を送るほどに、脳の働きはしぼんでいってしまうということです。ミスやトラブルをいつまでも引きずってくよくよしたり、後悔したり、そんなマイナス思考のままでいては、前頭葉は錆びつき、衰えていってしまいます。

いったんネガティブな感情にとらわれると、人は自分の不足した部分にばかり目を向けるようになり、欠乏感でいっぱいになってしまうものです。

そういう時は、「角度を変えて考えてみる」ようにしてください。今がどんな状況だったとしても、あなたは多くの宝物を持っているはずですし、これからできることだってたくさんあるはずです。ですからなるべく物事の明るい面を見つめ、楽観的に生きるようにしたいものです。

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