「風が吹いても痛い」だけではない痛風の深刻な害 「尿酸値の異常」はけっして軽く見てはいけない
臓器間ネットワークで有名なのは、脳と腸との「脳腸連関」です。テレビ番組などでも特集が組まれていたので、多くの人がすでに耳にしたことがあるのではないでしょうか。腸は、多くの神経細胞が存在することから「第二の脳」といわれていて、腸の不調は脳に、脳に受けたストレスは腸に反映されるのです。
医療の現場では、腎臓と心臓の関係性である「心腎連関」が、早くから注目を集めていました。腎臓の機能が低下した患者さんでは心不全の治療がうまくいかなかったり、慢性心不全の患者さんに慢性腎臓病が併発したりするケースが多かったからです。腎臓と心臓のどちらかが悪くなれば、それにともなってもう一方も悪くなる関係にあるのです。
その臓器間ネットワークの中心といえるのが、腎臓です。腎臓は、全身を巡る血液のゴミを取り除いたり、体液のバランスを保ったりしていて、心臓はもちろん、脳や腸など多くの器官・臓器と関係性をもっているからです。
心臓から全身を巡り、腎臓に送られてきた血液は、糸球体でろ過されて、そのろ過されたゴミと水分が一緒になって原尿になります。1日当たり原尿は約150リットルも作られているのですが、そのうちの99%が尿細管で再吸収されて、血液に戻されます。
原尿には、尿素やクレアチニンといったゴミだけではなく、アミノ酸やブドウ糖、電解質といった有用な成分もたくさん含まれています。それらの有用な成分は、水分と一緒に尿細管で再吸収されていきます。
また、細胞が正常に働くためには体液は「弱アルカリ性」に保たれている必要があります。もし酸性に傾きそうなときには、腎臓が尿細管での電解質の再吸収の量を増減して、弱アルカリ性に戻すように調節します。
このように、腎臓は体液のバランスを保つために休むことなく働き続けて、全身の細胞が活動するのに最適な状態を維持しているのです。脳や心臓、腸ほど注目されることはない腎臓ですが、じつは総合的な役割を果たしているのです。
生活習慣の乱れが招く「メタボリックドミノ」
いまからおよそ20年前に、「メタボリックドミノ」という考え方が提唱されました。飲み過ぎ・食べ過ぎ・運動不足といった生活習慣の乱れがスタートとなり、内臓の周りに脂肪がたっぷりとついてしまう「内臓脂肪蓄積型肥満」になると、食後高血糖や高血圧、脂質異常症が起こりやすくなります。
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