「半年で辞めてしまった仕事」も無意味ではない 大切なのは「過去」をきちんと意味づけすること
あまり良くないたとえですが、大犯罪を犯した人が心を入れ替えて「人生をやり直す」といわれて、納得できるでしょうか? これも意味合いとしてはやり直すのではなくて、これから「変わる」ということではないかと思います。人生は積み重ねです。未来が過去の続きであることからは逃れられません。
過去の「ある」をあらためて意味づける
少し話が大きくなってしまったので、仕事やキャリアに目を移してみましょう。キャリア相談でも、過去を引きずってしまっている人はたくさんいます。
つい「あのときこうしていれば……」と思ってしまいそうですが、残念ながらやり直しはできません。でも心配しないでください。やり直しはできなくても、これから変化させることは十分に可能です。営業しか経験がないから営業しかできない、というのは思い込みです。
私が行っているキャリア相談では、まずその人にとっての過去の意味づけを変えていきます。つまり過去の価値化です。
有名なマーケターである株式会社刀の森岡毅さんは、破綻した兵庫県の年金保養施設を再建する際に、「ないものはない」と語っています。
山林や温泉以外に何も目玉がないようなロケーションだったのですが、ないものはどうやってもないわけです。ただ、裏を返せば「大自然がある」のだと捉えて、価値化に成功しました。
言葉遊びのように思えるかもしれませんが、意味づけを変えることはできるのですから、まずはそこからやってみましょう。
私もそうして、過去を意味づけしてきました。
就職氷河期で就活がうまくいかなかった経験がある。何の実績も出せずにクビ同然になったこともある。職を転々とした経験がある。当時はすごく落ち込みましたし自信もなくしましたが、そんな過去があるからこそ、キャリアに悩む人たちと同じ目線でいられるように思います。
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