「半年で辞めてしまった仕事」も無意味ではない 大切なのは「過去」をきちんと意味づけすること

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あなたもぜひ、「朝ドラ」のように自分のストーリーを思い出してみてください。どんなことがあって、誰と出会い、何を思って、なぜ今、働いているのか。主人公はあなたです。「自分語り」は他人にすると嫌がられそうですが、自分で振り返るだけなら誰にも迷惑はかけません。あなたがこれまでやってきたことをすべて肯定することが第一歩です。

今はまだ、後悔なく働いていくためのプロセスの最中にいる。こう考えられれば、次の一歩を踏み出す勇気が出るのではないでしょうか。

「失敗をしたことがない」と断言する松下幸之助

「経営の神様」と呼ばれた、松下電器産業(現パナソニック株式会社)の創業者である松下幸之助は、「自分は失敗をしたことがない」と断言をしています。

「意の如く、事が運ばないことを失敗というのなら、それは今までにずいぶんあった。しかし、私はいつも禍転じて福とするようにしているので、その意味では失敗をしたことはない」

また、「失敗したところで止めるから失敗になる。成功するところまで続ければ成功になる」という言葉も、名言として知られていますね。

物事には失敗は付きものですから、多少の失敗であきらめるのではなく、その経験を次に活かして成功するまでやり抜け、という意味です。実は、発明王トーマス・エジソンも、同じような言葉を残しています。

「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」

エジソンは電球を発明するまでに、数千種類ものフィラメントを試したといわれています。ようやく納得のいく品質が実現できたのは、日本の竹だったというのは有名な話です。「失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう」とも語っています。

『なぜ働く? 誰と働く? いつまで働く? 限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

日本語では「失敗は成功のもと」、英語でも「Failure is the mother of success. (失敗は成功の母)」と、ほぼ同じようなことわざがありますから、これは人類共通の真理だといえるでしょう。

最近よく使われる言葉に「自己肯定感」というものがあります。自分自身を肯定的に評価したり満足したりする感覚、あるいは、自分自身の価値や存在意義を肯定できる感情のことです。

他人と比較するのではなく、ありのままの自分を認め、尊重し、自分自身に価値があると感じることができる心の状態を指します。自己肯定感が高いと、失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジする意欲が湧き、他人に対しても寛容になれるといいます。そんな人のまわりには多くの人が集まり、良好な関係を築いていくことができるわけです。

「心理的成功」とは自己肯定感を上げることでもあり、自己肯定感が高まることで、心理的成功を感じやすくなるともいえます。

有山 徹 一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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ありやま とおる / Toru Ariyama

4designs株式会社founder、代表取締役CEO。1977年、東京都日野市出身。早稲田大学卒業。大手食品メーカー、経営コンサルティングを経て、2019年、数度のキャリアチェンジをした自らの経験を生かし、キャリア支援サービスを行う4designs株式会社を設立。同年、法政大学の田中研之輔教授とともにプロティアン・キャリア協会を設立、代表理事に就任する。
個人向け「プロティアン・キャリア戦略塾」、法人向け「プロティアン化組織変革サービス」を提供し、大手企業へのサービス導入実績も多数。

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