「事業撤退→年2000万個」チーズデザート成功の訳 ひとりの社員の熱意が、会社を動かした
ケーキのような味わいで満足感の高い6Pチーズ、その名も「チーズデザート」シリーズを展開し、40~50代の女性を中心に人気を集めているのだ。購入者に選んだ理由を聞いてみると、「糖質量が少なく罪悪感が少ない」という声が多いそうだ。
つまり、チーズデザートは免罪符的な存在。しかも、1つ15gの小分けなので、「欲しいときに欲しい分だけ食べられて便利だ」という声も上がっている。
それらの意見を聞いて六甲バターは、パッケージの表に糖質量を大きく入れた。種類によるが、1個2.4~3.5g。ちなみに、ショートケーキひと切れの糖質量の目安は約28.6gだ。大きさが違うので単純な比較にはなるが、糖質量は約1/9~1/14だ。
その一方で、「気負わなくて簡単に食べられるけれど、ちょっとした贅沢さや満足感が味わえる存在」という意見もあるそうだ。「こんなふうにおっしゃるお客様にとってチーズデザートは、『ひと息ついて息抜きできる存在』『リラックスシーンのパートナー』といった存在なのではないかと考えています」と、六甲バター マーケティング本部長の黒田浄治さんは話す。
年間2000万個を突破する、お化けヒット商品
もちろん、他社でもカップ入りのレアチーズケーキや、クリームチーズのフルーツ味などは出している。だが、6Pチーズのスタイルで販売しているのはQBBと、追随したもう1社のみ。その手軽さは、他社とは一線を画している。
それを証明するように、チーズを使ったデザートの市場の売り上げは、QBBが8割を占めている。競合は、チーズのデザートではなく、アイスやケーキだと位置づけているそうだ。
そんなチーズデザートが誕生したのは2009年のこと。発売後すぐさま人気に火がつき、ここ5年で売り上げは1.6倍に成長した。2021年には、年間2000万個の出荷数を突破し、同社の屋台骨を担いうる商品になりつつある。
このチーズデザートシリーズ誕生の裏には、片山和子さんという、一人の女性開発者の情熱があった。
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