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「事業撤退→年2000万個」チーズデザート成功の訳 ひとりの社員の熱意が、会社を動かした

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今回お話を聞いた六甲バターのマーケティング本部長・黒田浄治さんは、この頃営業本部におり、当然、同商品も何度も試食していた。片山さんの熱意に胸を打たれ、最終的に出来上がった試作品のおいしさに納得すると同時に、こんな思いもあったという。

「確かに、このチーズケーキはとてもおいしい。でも、イロモノのチーズなんか売れへんのちゃうか。そもそも誰が食べんねん……正直、そう思ったんです」

けれど、黒田さんの予想に反し、チーズデザートは売れに売れた。長年現場を見てきた黒田さんでも、見えていなかったニーズが存在していたのだ。そして、「片山さんの熱意」と「おいしさ」に経営陣も賭けたことで、後に記録的な看板商品に成長するチーズデザートは、市場に放たれた。

片山さんとパッケージをデザインした女性は、その年社長賞を受賞したそうだ。追い風に乗った片山さんは、そこから次々に新たな味を生み出していく。

2009年に誕生した、チーズデザート マダガスカルバニラ風味。なめらかな口溶けと、甘いバニラの香りが魅力(写真:六甲バター提供)

チーズデザートが選ばれている「味以外」の理由

発売から15年。今もチーズデザートは女性を中心に支持され続けている。その理由は、なめらかな口どけと絶対的な味へのこだわり……だけではない。そこには2つの理由がある。

1.選べる楽しさ

1つは、バリエーションの豊富さ。QBBの強みとして前編でもご紹介したが、チーズデザートも、マダガスカルバニラにラムレーズン、ブルーベリーなど定番5種類に加え、期間限定品が3種。合計8種類を展開している。

期間限定品は、春なら静岡県産のクラウンメロン、秋の現在は熊本県産和栗など、季節の果実や素材を使ったものが中心だ。

2024年秋限定、熊本県産和栗。こっくりとした栗の味わいは和菓子さながらだ(写真:六甲バター提供)

さらに2024年9月からは、「まるで、ケーキ屋さんのスウィーツ」と銘打った期間限定品も登場。ピンクのマカロンにローズ風味のクリーム、ライチ、ラズベリーを挟んだ仏発のスイーツをチーズで再構成し、「フランボワーズ&ライチ ~ローズの香り~」として発売している。

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