「死の疑似体験」で彼女が気づいた"母子の呪縛" 「手放す」ことではじめて実感できる関係もある
「普段、生きているときには『あれがない、これが足りない、なんとかして手に入れなければ』と、日々なにかを求めて生きています。しかし、立ち止まってじっくりと考えてみると、すでに多くの大切なものを得ていたことに気づくのです」。私たち人間の本性についてこう諭す、浄土真宗・倶生山 慈陽院 なごみ庵住職の浦上哲也氏は、同時に「大切にしているものを『手放す』ことで『死』が実感される」ともいいます。
そんな浦上氏が主宰する「死の体験旅行」というワークショップで、大切なモノ・コトを手放す「疑似体験」をした人々に起こった変化とは。
※本稿は、浦上氏の著書『もし明日が来ないとしたら、私はなにを後悔するだろう?』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
大切なモノ・コトを手放す「死の体験旅行」
私が住職をつとめるなごみ庵が開所したのは、2006年のこと。その13年後の2019年5月7日には、全国で令和初の宗教法人に認可されました。ですから、なごみ庵は日本のお寺のなかでもかなり新しい、芽吹いたばかりの小さなお寺と言えるでしょう。
私はこのなごみ庵で「死の体験旅行」というワークショップを開催していますが、まずはじめに、どういったものなのかを説明いたします。
まず参加者は、自分のまわりにある大切なヒト(人物)、モノ(所有物)、コト(思い出)、ユメ(行為、目標)をカードに書き出すところからはじまります。
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