日本発条(ニッパツ)・就活学生に贈るキラリと光るBtoB企業--自動車からHDDまで ばね技術で世界一を生む
社風を言い表すニッパツの社訓
そんな同社の社訓は、「躍進のニッパツ、根性のニッパツ、みんなのニッパツ」。二つ目の「根性」が面白い。「時代遅れかもしれないが、そういう部分を大切にしている」(酒井直人・人事部長)。社風もどちらかというと体育会系。三つ目の「みんな」は、従業員だけでなく、取引先、地域社会など、すべてのステークホルダーを重視する姿勢を示している。
同社は毎年60名程度の新卒採用を実施している。08年のリーマンショック後も同程度の採用を続けた。エントリーする学生数は約1万人で、面接に進む500~600人から選考する。技術系は金属系や機械系が多いが、学部にこだわらない方針を打ち出す。
面接時に最も重視するのは、「元気のよい学生」かどうか。「何回かの面接で学生をすべて理解できるわけではない。受け答えの声の大きさや学生時代の活動などから受ける印象も大事にしています」(酒井部長)。採用の際、志望動機はあまり気にしないという。「それより先輩のこんな言葉に感銘を受けたなど、具体的に書いてくれたほうがいい」(採用担当の新井健二主査)。
入社後は1カ月間、座学で会社の歴史やビジネスマナーを学んだ後、各部署に配属となる。一度配属されると、中堅になるまで他事業に移ることは少ない。たとえば同じ自動車向けでも、懸架ばねは素材からの開発が必要だし、シートは組立産業の側面が強い。事業ごとの技術要素は大きく異なる。