最近よく聞く「ジェンダーレス」って何だ? ファッション界はネコも杓子も夢中

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ラグ&ボーンのパンツにグッチのジャケット(左)、グッチのシャツにウールパンツを合わせたモデル(右)(写真:Christelle de Castro/The New York Times)

女性はこうした状況を自由に受け入れ、小さいサイズのメンズウェアを購入している。グッチでは、アレクサンドロ・ミケーレによるメンズウェアの秋コレクションに含まれている最新のボウタイ・ブラウスが、男性よりも女性に売れているという。

一方で男性は、「これまでもジェンダーレスのファッショントレンドには影響されなかった」と、ファッション史学者のキンバリー・クリスマン・キャンベルは言う。「いまファッションは新たな段階に来ていると考える人もいるが、必ずしもそうではないかもしれない。私たちが見ているのはファッションの先端であって、J.クルーの店頭に置かれているものではない」。

「それでも」と、クリスマン・キャンベルは言う。「こうしたトレンドが現れるたびに、境界線が少しずつ押しやられていく」。

花柄のシャツに迷彩柄のショートパンツ

中性的なルックスのモデルたち(写真:Christelle de Castro/The New York Times)

トレンドに弾みをつけるのは、アーティストや自己の主張を持つ人々だ。

「とても女性的だ」と、自分のシャツを指して言うのは、ディスクジョッキーのコールマン・フェルテスだ。彼の前ボタンのシャツには、デイジーやバラや蝶が華やかに描かれている。最近、フェルテスは子どもを連れてマンハッタンの自宅に向かっている時、迷彩柄のショートパンツをこのブラウスに合わせて、街にふさわしいファッションにしたという。「迷彩柄は華やかさをおさえてくれる」と、彼は自信たっぷりに言った。

ただし、ファッションの最先端を行く人の中にはすでに次に移っている人もおり、果たしてジェンダーレスがトレンドなのかと問う。

「私たちのお客さんは、もうジェンダーレスファッションは経験済みだ」と、ニューヨークで開店4年のショップ「オッド」のオーナー、ジャドソン・ハーモンは言う。同店ではジェンダーレスの商品で知られており、半分が男性で半分が女性のマネキンを使ってそれを強調する。

しかし、そのマネキンは今後使わなくなると、ハーモンは言う。「幅の広いジェンダーレスを見捨てるわけではない。それを中心にしなくなるだけだ」。

(執筆:Ruth la Ferla記者、翻訳:東方雅美)

© 2015 New York Times News Service

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