「集中力向上」誰にでも効く"身も蓋もない"特効薬 けっして「気合や根性」で高まるものではない

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では、さまざまなごほうびの中で、脳が1番喜ぶごほうびはなんだと思いますか。脳にとっての1番のごほうびは、物品やお金でも、ゲームやマンガでもなくて、「新しい情報を知ることができて嬉しい」という満足感と、「早くやり終えて嬉しい」という達成感です。

以下のようなサイクルをイメージするとわかりやすいでしょう。

【新しい情報を知ると、脳は喜ぶ】
●勉強をする
    ⬇
●新しい知識が身につく
 知らなかったことがわかるようになる
 できなかったことができるようになる
    ⬇
●「嬉しい! もっと知りたい!」(満足感)
    ⬇
●さらに勉強したくなる
【予定より早く終わると、脳は喜ぶ】
●上司に言われた仕事を、期日前に提出できた
 取引先から提示された課題に、すぐに対応できた
    ⬇
●「予定よりも早く終えることができて、嬉しい!」(達成感)
    ⬇
●もう一度同じ喜びを得たい一心で、「めんどくさい」「やりたくない」とは思わなくなる

脳は何度でも「ごほうび」が欲しくなる

このように、脳には、「ごほうびをくれる行動を繰り返したくなる」「同じ喜びを再現するように働こうとする」という特性があります。

『結局、集中力が9割 脳のプロが教える 誰でも集中力が最大化する方法』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

知識欲や達成欲が満たされて、「やりたくないことこそ、やり切ると嬉しい」「どんなことでも、学びが得られる」「『自分にはできない』と思っていたことでも、案外できる」ことがわかれば、「めんどくさい」「やりたくない」を解消できます。

何かを始める前に、「面倒だな」「やりたくないな」という気持ちがもたげて来たら、「でも、早く終えたら嬉しい!」「それでも自分のプラスになる!」と思い直してみてください。

また、「目に見えるもの」ばかりごほうびにすると、ごほうびを得ることが目的になってしまい、「ごほうびがないと、やらない」という状況に陥ることがあります。

飲酒、喫煙、ギャンブルなど、脳への作用や依存性が強いものではなく、達成感や満足感をごほうびに設定する。すると脳は自発的に集中し始めるため、仕事や勉強への集中力を失うことはありません。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)など多数。

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