「聴き方」を変えたら部下が自分から動くように 「オンラインだと相談しにくい」その理由とは
それまでは言われたことしかしなかった部下が、安心して自分で営業してくるなど、能動的に動き出す。安心してチャレンジもできるわけです。
上司にしてみれば、「○○をやってみたんですけど、どうですか?」と状況を報告してくれるから、部下が今、何をしているかも把握しやすくなる。情報も集まりやすくなる。だから、部下に次の指示や提案をしやすくなるのです。単純な仕組みですが、とても大切なことです。
こんな聴く姿勢で「肯定する空気」をつくる
「笑顔をつくる(口角を上げる)」に関連して、もう一つポイントとなるのが、話を聴く際に「うなずくこと」。
これはとくにオンラインの画面上で絶大な効果を上げます。
相手が話をしているときに、話の切れ目の部分や間(ま)が空いたときに、まめにあいづちを打ちます。
対面の場合は小さくうなずいたり、「なるほど」と小声で言うだけでもいいですが、オンライン上ではなかなかリアクションがつかみづらいので、やや大げさなくらいでちょうどいいでしょう。うなずいて聴いてあげているだけで、人は肯定されている気分になり、仕事もスムーズに進みます。安心してしゃべることができる空気感ができるからです。
ある士業事務所の所長さんから、
「社員がすぐに、しかも一気に辞めてしまうので、人が育たない。どうやって人材育成をすればいいのか」
というご相談を受けました。たしかに激務ではありますが、高給で待遇もよく、辞める理由がわからないと言います。
話を伺っているうちに、「ああ、そうか」と納得したのが、その所長さんがお話をされているときの顔が、やっぱり怖いんです(笑)。
失礼ながら、ご本人に正直に「申し訳ないのですが、お顔が緊張感にあふれています」「お顔に圧を感じます」とお伝えしたら、苦笑されていました。
40代の男性の真顔は、若い子にしたら圧しか感じられません。
まず、お願いしたのが、「うなずいてもらうこと」でした。
社員とのミーティングはオンラインがほとんどだというので、オンライン上でコミュニケーションの練習をしました。
「コミュニケーションについては勉強した」と所長はおっしゃるのですが、実際にやってみると、相手の話を最後まで聴けず、話をかぶせてしまいます。
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