東京で「貧しい日本人」を排除する施設が増える訳 庶民にも開かれた大阪、ニセコと大差ない東京

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それに、建物には全体的にネオンが輝いていて「ネオ・トーキョー」的な雰囲気もある施設になっている。

「TOKYO」と輝くネオン
「TOKYO」と輝くネオン。最近よく見かけるタイプの店だが、「これって東京なの?」とふと冷静になる瞬間がある(筆者撮影)
日本土産の屋台
その横には日本土産の屋台も(筆者撮影)

施設としても、高層階は2種類のホテルが入っており、一大観光地である歌舞伎町を目当てにやってきたインバウンド観光客のための施設、という印象を受ける。

そのコンセプトといい、内容といい、全体が「インバウンド向け」になっている。東急自体は明言しないだろうが、どこか「日本人お断り」の感さえ受けてしまう。

麻布台ヒルズに多様性はあるのか?

興味深いのは、こうした近年の再開発のコンセプトではしきりに「多様性」が叫ばれていることだ。

東急歌舞伎町タワーのホームページによれば、この施設は『極められたさまざまな「好き」の想いとともに街の未来や文化、延いてはさらなる多様性を紡いでいくこと(MASH UP)を目指します』とのこと。

あるいは、森ビルが2023年に完成させた「麻布台ヒルズ」もそうだ。そのロゴデザインは「様々な人々や価値観を受け入れて、時の経過とともに多様性を増しながら育まれる街のロゴ」らしい。まあ、近年の再開発事案のコンセプトではだいたい「多様性」という言葉が入っているし、とりあえず「多様性」という言葉を入れておけば、「なんかいい」感じになる。

麻布台ヒルズ
麻布台ヒルズ(筆者撮影)
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