東京で「貧しい日本人」を排除する施設が増える訳 庶民にも開かれた大阪、ニセコと大差ない東京
最近の東京の再開発のもう一つのテーマが「自然」かもしれない。実際、そこには多くの自然があったりする。けれど、それらがどこか堅苦しい感じを持っているのは、その自然が機能的価値のためだけに植えられている例も多いからではないか。その点でも、東京の再開発の「金太郎飴」感が否めないのだ。
「街にないもの」が生まれる再開発を
GRAND GREEN OSAKAがその点で興味深いと思ったのは、大阪駅前のあの場所で、いわゆる他の再開発ビルと同じようにならずに、広大なスペースを生かすような再開発を行っていることだ。金太郎飴感から脱している。
もちろん、「専門家」の目からすれば、東京にあるさまざまな再開発ビルもそれぞれ違いがあるのだろうが、おそらく一般人の目からはわからない。そうした小さな違いではなく、見た目に「ぜんぜん違うものができたなあ」と思う再開発事例が誕生したことが興味深いのだ。
それは、再開発で仕切りに言われる「多様性」に確かに貢献している。その街にないもの・足りないものを補完してくれるからだ。「その街にないものが生まれる再開発」こそが、進むべきだと感じる。
実はこの点でいえば、東京にもそうした再開発事例がないわけではない。例えば、今年開業した「SHIBUYA SAKURA STAGE」。この低層階には、松屋やマック、カルディ等々、比較的、庶民派な店が揃っている。渋谷の再開発で生まれてこなかったものが生まれているようにも感じる(ちなみに渋谷に足りないとされていた大型書店も入っている)。
東京・大阪に限らず、こうした再開発が増えれば、おのずと街の「多様性」は生まれてくるだろう。
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