意図伝わらず「文章切り取りで炎上」なぜ起きるか 「誤答の並列化」を知ると、意図が理解できる

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ただ「人は、人に忘れられた時に死ぬ」と伝えるだけではなく、「ピストルで打たれても、不治の病に冒されても、猛毒キノコのスープを飲んでも、本当の意味で『死ぬ』わけではない」というメッセージが前提にあるからこそ、強く相手に響くわけです。

政治家も含めて、相手に強く何かのメッセージを伝えたい人は、この手法を使うことが多くあります。

「今のみなさんの生活が苦しいのはなぜか? みなさん自身の問題なのか?違いますよね。〇〇という政策の問題なのです!」というように、あえて誤答を挟むことで相手にメッセージを強く印象付けることができるわけです。

ちなみに国語の授業で漢文の勉強をしていると、この手法が使われた文章を読む機会はとても多いです。漢文の勉強をしている人なら、「ああ、こういう手法の文章ってあるよな」と思ってもらえると思います。

国語の勉強で相手の発言の意図が理解できる

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そして、この手法に馴染みが薄い人だと、「あの政治家は、『今のみなさんの生活が苦しいのはなぜか? みなさん自身の問題なのではないか?』と言っていた!」というように、間違って解釈してしまうことがあります。あえて誤答を挟んでいるだけなのに、その誤答を「本当にそう思っていること」と解釈してしまうわけですね。

国語は、勉強すればするほど、解釈を学ぶことができます。相手が本当に何を言いたかったのか、どうして相手がそんなことを言ったのか、解釈して理解することができるようになるのです。

そしてその能力は、国語に限らず、人生の多くの場面で必要になってくるはず。ぜひみなさんには、国語を今一度学び直す機会を持ってもらえればと思います。

辻 孝宗 西大和学園中学校・高等学校教諭

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つじ たかむね / Takamune Tsuji

西大和学園中学校・高等学校教諭。1975年生まれ。岐阜出身。国語科教師として、20年余り、西大和学園の国語を率いている。常に新しいスタイルで展開される授業の人気は高く、定員40人の放課後講座に280人が申し込んだことも。その授業は楽しいだけでなく、最小限の努力で常に学年を全国1位にするので、生徒だけでなく教員にも信奉者が多い。

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