意図伝わらず「文章切り取りで炎上」なぜ起きるか 「誤答の並列化」を知ると、意図が理解できる

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これは、「なぜこの店は繁盛しているのか」という問いを持ち出しつつ、その答えが「場所」や「広告」ではないということを先に示し、満を辞して「味」という本当に伝えたかったことを最後に持ってきています。これは、問いかけに対して、あえて間違った回答を挟み、「誤答の並列」をすることで、正解を際立たせる手法なのです。

誤答の並列化
「Q1 この問いの答えは?」
「Q2 この問いの答えはAか?」「A2 違う」
「Q3 この問いの答えはBか?」「A3 違う」
「A1 この問いの答えはCだ」

この文章は「なぜこの店は繁盛しているのか?その答えは、『味』だ」だけで成立します。それが伝えたいことであり、それ以外はなくても文章として十分成立するものです。

それなのになぜ、長々と「立地が悪い」「広告を打っているわけではない」と間違った回答を並列しているのか?それは、『味』といういちばん言いたい答えを強調するためです。

「なぜこの店は繁盛しているのか?その答えは、『味』だ」だけでは、味がどれくらいいいのか、わかりませんよね。「立地の悪さや広告を打っていないというマイナスをはねのけるくらい、味がいいんだ」ということを伝えたいわけですね。

このような「誤答の並列化」は、文章に厚みを持たせるときに有効な手段だと言えます。

有名漫画も「誤答の並列」のセリフがある

例えば、「ONE PIECE」という漫画のワンシーンで、こんな言葉があります。16巻のDr.ヒルルクという人物のセリフです。

人はいつ死ぬと思う…?
心臓を銃(ピストル)で撃ち抜かれた時……違う
不治の病に冒された時……違う
猛毒キノコのスープを飲んだ時……違う!!!
……人に忘れられた時さ……!!!

心に残るセリフですが、このセリフも、誤答の並列で書かれていますね。「人はいつ死ぬか」という問いがあり、あえて3パターンの誤答を並べたあとで、「人に忘れられた時」という、いちばん言いたいことを最後に持ってきています。

こうすることによって、「人に忘れられた時」という答えに、大きな重みを持たせているわけですね。

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