国語の勉強つまらない人に欠ける"古文の奥深さ" 解釈が色々あるからこそ、学んでいて面白い
学校で古文を習ったけれど、何の役に立つのだろうか……。そう考える人も一定数いるようです。『一度読んだら絶対に忘れない文章術の教科書』を上梓した辻孝宗先生は、毎年東大合格ランキング上位に入る、全国屈指の難関校・西大和学園で国語を教えています。辻先生が古文を勉強する楽しさを紹介します。
最近SNSを見ていると、「古文なんて勉強しても、面白くないよ!」「古文の勉強をしても、将来なんの役にも立たない」という考えを持つ人が数多く存在しているように感じます。
国語を教えている身としては、このように言われていることを、悲しく感じます。世の中の国語の教員が、古文の面白さをあまり伝えられていない、ということなのかもしれません。
それでも、古文は楽しくて、今を生きる私たちにとっても意味のあるものだと考えています。今回は、「古文の面白さ・奥深さ」について、みなさんにお伝えしたいと思います。
春はあけぼの、の2つの解釈
まずはみなさん、こちらの一節を読んでみてください。
春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際少し明かりて紫だちたる雲の細くたなびきたる
多くの人は、この一節を知っていると思います。国語の授業で習った人も、多いのではないでしょうか?
では、この一節の中で、どのように句読点を打つのかについて、習ったことはあるでしょうか。
実はこれには、2つの解釈があります。まず1つ目がこちらです。
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて紫だちたる雲の細くたなびきたる」
(春は明け方がいい。だんだんと白くなっていく山の稜線が、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいている景色が、趣き深くていい)
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