自分の実体験としての経験に基づく実践だけでは、その理論的なバックボーンまで学べる機会は限られるだろうし、その会社独特のやり方が全てだと思ってしまうこともあり、応用や再現性に難がある可能性もある。そして何よりも上司や先輩のやってきたことをそのままコピーするだけではいつまで経っても「フォロワー」のままだ。
一方で学習だけだと本当にそれは実践できうるものか否かが不明なままだし、実体験のない知識の陳腐化はやはり早いと言わざるを得ない。
というわけで、「実践×学習」の双方が必要なわけだし、そのループを回すことで単なる経験や知識や、自分事の知恵として自分の引き出しの中に蓄積されていく、ということになる。
「一流校」のMBAはおいしい投資先
そしてその様に考えていくと、「一流校」のMBAというのはかなり効率の良い投資先である、ということになる。
というのも、経営学を体系的に学べる、というだけではなく、そのカリキュラムはまさに「実践」と「学習」の双方の組み合わせが一般的だからだ。
もちろんスクールによってそのやり方は多種多様であると思われるので、あくまでも「一流校」に限定されるのは言うまでもない。
学習という面では大学院という前提からして、もはやここで語るまでもないが、実践面においては様々なバックグラウンドを持つ学生同士のディスカッションや協働プロジェクトもさることながら、実際に企業から特定分野における課題解決をコンサルという立場で受けるという実践プロジェクトであったり、現役の有名企業経営者とのディスカッションなど、様々なカリキュラムが提供されている。
ちなみに私が私費で行ったUniversity of Cambridgeのビジネススクールにおいては、ベンチャー企業からの自社製品の市場規模調査や、大手投資銀行における投資評価軸のブラッシュアッププロジェクト、大手IT企業からの社内改革プロジェクトなどを学校として受注しており、学生は自分の興味ある分野におけるプロジェクトにチームとして取り組む、というものをはじめ複数の実践カリキュラムがあった。
当然これは実際のプロジェクトなので、プロジェクトにあたってはチームによってはニューヨークの大手投資銀行の本社に行き、またあるチームはスイスの山奥に行き、という感じで1年間の課程の中で2つのプロジェクトへの参加が必須であった。
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