深圳男児死亡事件「暴漢から身を守る」唯一の方法 「安全神話」が揺らいだ中国以外でも警戒が必要
ただ、ここ最近、こうした中国の「安全神話」に変化が生じていたのも事実である。たとえば、外国人を標的としていないため、日本ではあまり報道されなかったものの、今回と酷似した事件も何件か発生している。
たとえば、2023年7月には、広東省廉江市で25歳の男が刃物を持って幼稚園に押し入る事件が起きた。襲われた6人が死亡し、1人が負傷している。あるいは、今年5月にも、江西省貴渓市で45歳の女が小学校に侵入し、刃物で生徒らを襲撃するという事件も起きた。こちらは、2人が死亡し、10人が負傷した。
学校だけが標的となっているわけではない。同じく5月には、雲南省昭通市鎮雄で、病院に刃物を持った男が侵入し、受付付近で周囲にいた人々を刃物で襲った。こちらは、2人が死亡し、21人が負傷した。
他にも衝撃的な事件として報道されたものでは、今年3月に、10代前半の少年3人が、同級生の少年を殺害し、廃墟となっていた温室に遺体を埋めて遺棄したというものが挙げられる。
こうした事件を見てゆくと、中国の「安全神話」が全般的に揺らいでいると言うことができそうである。
「ローンオフェンダー型」犯罪の可能性
さて、我々日本人として問題なのは、外国人が被害者となる刺傷事件である。公表されているだけで、前述した事件も含め、日本人が被害者となる刺傷事件が今年3件も発生している。
これに加え、6月には吉林省吉林市の公園で、アメリカ人の大学講師4人が切りつけられて負傷し、さらに助けに入った中国人1人も負傷するという事件も起きている。
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