「着物にどハマりした」黒人男性と女性のそれから 着物に突然恋してしまったそれぞれの物語

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ジョンソンさんはシーラさんのもとで5年間個人的に着物を学び、彼女は自身が知識の宝庫であることを証明した。着物に関する事実上の百科事典のような「先生」に出会ったことで、ジョンソンさんは完全に着物にハマってしまった。シーラさんが本の執筆で忙しくなければ、今でも彼女の指導を受けていただろうと話す。

そして、これが2つ目の幸運な出会いにつながる。この時は、電車の中でシーラさんのおかげで学んだ江戸小紋の着物を着た女性を見つけたのである。

「近くで見ないとわからないような、小さくて複雑な模様があるんです。1.5m以上離れて見ると、ただの無地の着物にしか見えない。その控えめな表現は、着ることのできる日本の哲学のようです」(ジョンソンさん)

資格の取得を勧められ…

彼はその女性の横に座り、彼女の着物についてコメントをした。すると、女性は、なぜ彼が着物についてそんなに詳しいのかと尋ねた。ジョンソンさんがその理由を伝えると、さらに知識を深められる場所があると教えてくれた。その女性は偶然にもハクビ京都きもの学院の講師だったのだ。

「着物について本当に知りたいのなら、資格をとった方がいいですよ」と彼女は教えてくれた。ジョンソンさんは彼女のアドバイスに従い、ハクビに入校した。そして、すぐに着物学校で男性が着物の勉強をするのはめずらしいことだと知る。

実際、ジョンソンさんが資格を取得するために直面した最大の難関は、伝統的に女性が支配してきた芸術を学ぶという固有の障害だった。すべての授業で唯一の男性であったため、ある種の通常の勉強方法は立ち入り禁止であった。

「通常、女性は教室で一緒に着物の着付けを練習します。でも、半裸の女性でいっぱいの教室で、着付けを手伝うわけにはいきません」と彼は笑って話す。「できるわけない!セクハラ訴訟待ったなしですよ。着物を着せるためには、私の手は彼女たちの体中を触れないといけないのですから」。

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