「着物にどハマりした」黒人男性と女性のそれから 着物に突然恋してしまったそれぞれの物語
この問題を解決するため、講師の1人である80歳の女性は、プライベートではマネキンを使って教えた。しかし、最終的には、ダミーではなく、実際の女性、つまり将来の顧客に対して、実地で行うことで学ぶ必要があった。そこで彼は友人たちと練習した。
「男性である私にとっての課題の1つは、どうすれば女性の体中を手で歩き回らずに、あるいは、本当に触れずに、これを行うことができるかということでした」とジョンソンさん。
「もちろん、先生であっても同様の敬意を払わなければなりません。特に胸のあたりやお尻のあたりは、私よりも少し余裕があります。だから、そうした部分に手が近づかないようにするにはどうしたらいいか、自分で考えなければなりませんでした」
「なので、『あなたはここを押さえて。私がここを挟みます』とか、『私がここを抑えるので、あなたはここを自分で挟んでください』とか、そういう伝え方をするのです。そうすることで、着付けをする人と共同作業をすることができました。そして、着付けを受ける側と協力関係を築くことができ、気まずい状況を避けることができました」
着付け免許の取得は彼にとって誇らしい瞬間だった。
「卒業式に出席したとき、200人中、男性は私1人、外国人は私1人でした。私が日本の着物の師匠たち(全員女性)の前に立つと、師匠たちはとても誇らしげでした」とジョンソンさんは振り返る。
カーラ・ハリスさんも「初」かもしれない。
2022年、ハリスさんは同じく有名な着付け教室である青山きもの学院から師範認定を得た。さらに今年12月には着物の着付けとスタイリングの師範である「高等師範」になる予定だ。こうした偉業を達成した初の黒人女性かどうかを断定する方法はないが、彼女が稀有な存在であることは間違いない。
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