最強の米「コシヒカリの味」東西で違う意外な事情 続々と開発される「コシヒカリ系統」にも注目

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最近は、新潟大学で開発されたコシヒカリ「新潟大学NU1号」が話題になっています。

これは、従来のコシヒカリのうち、暑さに強い個体だけを選抜してかけ合わせ続けた後にできたコシヒカリで、20年以上もの歳月をかけて研究開発されました。夏場の高温に強く、見た目もキレイで、元々のコシヒカリと変わらないおいしさが感じられるとのことで、将来性を感じます。

コシヒカリは業界最強の種親

さらに、コシヒカリの孫世代、ひ孫世代までを入れると、コシヒカリ系統のお米は数えきれないほど存在しています。

孫世代では富山県の「富富富」、新潟県の「こしいぶき」、青森県の「つがるロマン」、石川県の「能登ひかり」、山形県の「はえぬき」、千葉県の「ふさおとめ」、鳥取県の「星空舞」などがあります。

『米ビジネス』書影
『米ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ひ孫世代で評判が良い品種としては、山形県で生まれた「つや姫」、秋田県で生まれた「サキホコレ」、佐賀県の「さがびより」、最近お米のコンクールで金賞を獲得している「ぴかまる」「ひめの凛」、新潟県で評価が高くなってきている「みずほの輝き」、そして北海道の「ななつぼし」や「きらら397」もコシヒカリのひ孫世代です。

これだけの品種を誕生させているコシヒカリは、種親としてのパフォーマンスも素晴らしいとしか言いようがありません。

さて、最近のコシヒカリは、夏の異常な高温によって白濁したり極端に食味が落ちたりしているのが問題視されています。

標高が高くて冷涼な地域では美味しいコシヒカリが生産されていますが、平野部でも美味しいコシヒカリが採れ続けるためには、研究開発が欠かせません。

高温にも強い素敵な品種がもっと研究されると、コシヒカリの遺伝子はさらに優秀なものになっていくでしょう。

芦垣 裕 有限会社初音屋 代表取締役/ 米・食味鑑定士/水田環境鑑定士/調理炊飯鑑定士/おこめアドバイザー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あしがき ひろし / Hiroshi Ashigaki

横浜で3代続く米屋の店主。取り扱うお米は、田んぼの自然環境までを自ら確認し、気に入ったお米のみ。米・食味分析鑑定コンクール国際大会の審査員を20年以上務めている。そのほか、お米日本一コンテストin静岡の全国大会、天栄米コンクール(福島県)、栃木県産米食味鑑定コンクール、飛騨の美味しいお米食味コンクールなど、多数のお米コンクールの審査員を務める。また、ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」のお米特集をはじめ、フジテレビ「LiveNewsイット!」など、メディアでもお米に関するコメントを行い、お米の素晴らしさを伝えている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事