15年ぶりに全線開通「阿里山林業鉄道」車両の中身 災害や資金難を乗り越え、再始動までの道のり

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福森號は「阿里山最高の観光列車」「動く美術館」といわれ、車体部分がヒノキで作られている。7月から3カ月間のチケット(1350席)がわずか1時間で完売という人気ぶり。

7月28日から運行される予定だったが、25日に台風3号のため阿里山鉄道本線が8月31日まで不通となった。したがって、取材時にはまだ運行されていない(その後、9月8日に初便が運行された)。

お荷物から期待の星へ

2023年5月、当時の行政院長だった陳建仁(チン・ケンジン)は阿里山を視察した際に、「林務局は今後、60億元(約270億円)を投入し、『大阿里山基軸百年飛躍建設計画』を推進していく」と述べた。

阿里山鉄道を軸とした地域の魅力向上、沿線宿泊施設の国際競争力を強化するための長期計画だ。かつてはお荷物として扱われていた阿里山鉄道は、いまや阿里山地区の発展を担う期待の星となっている。

阿里山鉄道 嘉義駅
阿里山鉄道の起点、嘉義駅にて(写真:筆者撮影)
市川 美奈子 台湾在住ライター

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いちかわ みなこ / Minako Ichikawa

台湾・台北市在住。早稲田大学第一文学部卒業、北京外国語大学同時通訳コース修了。大学卒業後、自動車メーカーや外務省外郭団体などで中国・台湾関係の業務に従事。現在は地方公共団体のワーママ駐在員として、夫を日本に残し小学生の息子と共に台北駐在中。北京でも5年の勤務経験あり。世界100か国350人以上のメンバーを誇る現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブhttps://www.kaigaikakibito.com/」の会員。

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