15年ぶりに全線開通「阿里山林業鉄道」車両の中身 災害や資金難を乗り越え、再始動までの道のり

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阿里山鉄道のある嘉義県は台湾の南部に位置する。北部と比べて経済発展が遅れており、可処分所得額が低い。2009年の嘉義県の世帯あたりの可処分所得額は、統計データのある23県市中22位。2022年は20県市中20位、つまり最下位だ。

発展が遅れる南部を、阿里山鉄道という観光コンテンツで発展させる。災害や時代の変化という困難を乗り越え復旧作業が続けられたのは、阿里山鉄道の復活でもたらされる経済発展が期待されたためだ。

救世主になるか?2つの高級観光列車

台湾政府の力の入れようは、今年投入された列車からも見てとれる。

5月24日に観光列車、栩悦號(シューユエハオ/Vivid Express)の運行を開始した。古い車両を観光仕様に改造したもので、阿里山に生息する鳥アリサンヒタキをモチーフにしたデザインとなっている。

祝山駅
栩悦號。祝山駅にて(写真:筆者撮影)
栩悦號
栩悦號の5号車。車両によって内装が異なる(写真:筆者撮影)

栩悦號ではすべての車両に専属のガイドがつく。筆者が乗車した車両のガイドは、元高校教師の鐘祥(ショウ・ショウ)さんだ。鐘祥さんは大手旅行会社ライオントラベルの契約ガイドだ。同社は入札によって栩悦號の今後6年間の運営権を勝ち取っている。

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