日本人が知らないサンマリノ、「神社」と電車の謎 短命の山岳鉄道が動態復元、ブドウ畑に鳥居が

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リミニ・サンマリノ鉄道の電車
かつてサンマリノ共和国と山麓のイタリアの街を結んで走ったリミニ・サンマリノ鉄道の電車(筆者撮影)
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イタリアに周囲を囲まれた小国・サンマリノ共和国。アドリア海近くにそそり立つ岩山が国土のこの国は人口3万5000人弱、面積は"山手線の内側”ほどの60平方kmしかなく、ロープウェーこそあるものの鉄道はない。だが、「国の中枢」にあたる山頂付近のトンネルには電車が停まっており、ときおり動く姿が見られるという。

さらに、同国には欧州で初の、日本の神社本庁に認められた「神社」もある。欧州でもバチカン市国、モナコ公国に次いで面積で3番目に小さい国に、なぜ神社があるのだろう。

さまざまな疑問を解きに、現地を訪れた。

「世界最古の共和国」にあった鉄道

駐日サンマリノ共和国大使館の説明によると、同国は「世界で最も古い共和国であり、唯一生き残っている都市国家」「憲法は1600年に制定され、現在も使用されているものでは世界最古」だという。

市街地に行くとまるで中世から時が止まっているかのような印象を覚える。国の創設は4世紀とされるが、これは“マリノ”という石工が石灰岩の岩山であるティターノ山の頂上に登り、そこに小さな共同体を創設したことが起源だという。

サンマリノは中世を通じて自己統治を維持、13世紀には議会に当たる最高評議会が設立され、現在もなお執政機関として存在している。近代には、ナポレオンの侵攻やイタリアとの統一運動もあったが、独立を維持。1862年に当時のイタリア王国と友好・中立条約を締結したことで都市国家として現代まで残る形となった。

サンマリノ神社
「サンマリノ神社」の鳥居。神社名は日本語で掲げられている(筆者撮影)
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