さて、話を広げますが、昨今では「リスキリング」という言葉もブームになりました。
誰が情報発信してこの言葉を広めたのか、その火種がどのように情報展開され、どう広まっていったのかは定かではありませんが、「リスキリングが重要」なんていうのは、古今東西、「当たり前」です。
私もこれまで仕事柄、いわゆるトップ5%のビジネスパーソンと多く接してきましたが「学び直し」や「継続的な学び」を、彼らはそんなブームに関係なく、息を吸うごとくやっています。いちいちブーム化された情報に翻弄されません。
「リスキリング」しなきゃの盲点
一方で、「リスキリングしなきゃ」と、このリスキリング商法に惑わされている方は、「じゃあ何を学ぼう?」「DXだ」「SNSだ」「プログラミングだ」「生成AIだ」と、また流行っているビジネスブームに飛び付く。
そこでまたみなさんに質問しますが、「例えば、生成AIは、本当にあなたの仕事に必要ですか?」と問うてみます。
「生成AIの使い方くらいわからないと、時代に取り残されるじゃないか」「ChatGPTなんて画期的なものは使わないともったいない」という声が聞こえてきそうですが、データサイエンティストの私から申し上げると、「それもすべて時間の無駄」「ブームという情報に翻弄されているだけでは?」と感じます。
1割くらいの方は、生成AIの活用方法を覚えてメリットを享受するでしょうが、残り9割の方は交流会に参加しているかのごとく「養分になるだけ」です。
誰の養分か? 主催者側の養分です。生成AIのシステム会社、あるいは生成AIの活用術を教えるコンサル会社が、ここでいう主催者です。学習のためのデータとお金を吸い取られているということです。
機械学習のロジックを数学的に理解されている方はうなずかれると思いますが、結局はここでも情報弱者が使われる構造です。
ここで機械学習の仕組みを述べるつもりはありませんが、データサイエンティストの一端である私から1つ言えることは、「今覚えようとしている生成AIの使い方も、そのうち使えなくなる」ということです。
プロンプト(指示)がどうたら、といった勉強も不要で、AI側があなたの指示の癖すら読み取ってくれる未来が、もう既に来ているということです。そのためAIに合わせて洗練されたプロンプトを考える必要もなく、そのうち誰かと対話するように、“いつも通りのあなた”でAIが相手をしてくれるようになります(なっています)。
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