AIは今後「ドラえもん型」を開発すべき納得の根拠 きちんと認識すべき「生成AIの本質」とその怖さ
現段階のAIは使い勝手がいい代物ではない
山本龍彦(以下、山本):生成AIを効果的に使えるかどうかはプロンプトのつくり方によるとのことでしたが、今後、それを補助するAIは生まれてくるでしょうか。例えば、こちら側の感情やニーズをうまくくみとって、自動的に文章化してくれるような機能が考えられます。
栗原聡(以下、栗原):僕らもそのような研究をやっていますが、徐々にそうなっていくと思います。誰でも文章を入れるだけで“使えてしまう”ので、「人工知能の民主化だ」という言われ方もしていて、その認識は間違ってはいないものの、現段階の生成AIは、実はそんなに使い勝手がいい代物ではありません。
今後はおそらく「御用聞きAI」のようなイメージのものができていくのだと思います。ユーザーが不十分な入力をすると、「それじゃわからないから、もうちょっと違う情報はない?」のように答えるか、きちんと整ったプロンプトをつくって入力してくれる。そういう形になっていくのだろうとは思います。
山本:そこに、生成AIがアテンション・エコノミーの救世主になる可能性があるのですかね。例えば、生成AIの長い回答を15秒ほどの短尺動画にしてくれるようなAIが出てくると、アテンション・エコノミーと“整合的”ではあるけれど、少しまともな世界が訪れるかもしれない。