週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場

これからの不動産の価値を決める"納得"の物差し 単純な損得勘定では測れない新しい指標に注目

10分で読める
  • 長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

ただし見直しといっても保険料が当初より最大1.2倍程度上がるといったレベルで、額にして数万〜10万円程度であることから、これで不動産の資産価格に差がつくというような、大きなインパクトはありません。

しかしこのような格差を、住宅ローンを提供する金融機関が始めたらどうなるでしょうか。

たとえば、これまでは5000万円の物件Aと物件Bどちらも担保評価の掛け目を100パーセントとしていたところ、水害可能性の低い物件Aはそのまま、水害可能性の高い物件Bは金融機関としてもリスクがあるため担保評価を70パーセントの3500万円としたら、とたんに物件Bの資産価格は大きく下落するはずです。

これは住宅を購入する人のほとんどが住宅ローンを利用するためですが、担保評価の低い物件Bを買うには物件価格の30パーセント、つまり1500万円の頭金を用意しなければなりません。こうなると購入できる人はかなり限られてきます。

したがって需要が大きく減退し、物件Bの価格はかなり下げないと売れないということになるでしょう。おそらく3000万円台くらいにしないと売れないのではないでしょうか。かたや5000万円、かたや3000万円と、今後は水害可能性の有無で大きな資産格差がつく可能性があるのです。

住まい探しは「金銭的に買える街」が主流だったが

また「建物の省エネ性能」も重要なポイントです。断熱性の高い住宅であれば長持ちし、長期的に資産として活用できるからです。

そして最後に「その街に暮らす人が、地域を愛しているか」も大事になってきます。戦後の高度経済成長期では、地方から出て東京など都市部で仕事を求め、都市近郊で住宅を求めるといった行動様式が主流でした。

住宅価格は当然ながら都市の中心部に近いほど高く、したがってよりリーズナブルな都市近郊の郊外へ住まいを求めるといった行動様式でした。

つまり「住みたい街」に住むのではなく「金銭的に買える街」に住んだわけであり、その際のバロメータとなるのは「都心部からの距離」「駅からの距離」であったりしたわけです。

次ページが続きます

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象