よかれと思ってやっている「部下の育て方」の盲点 「面倒を見すぎて独り立ちできない」問題を解決

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「いや、部下に失敗させたら、会社に損害を与えてしまう」。そう思うかもしれませんが、実際にはそうでもありません。

私はこれまで数多くの企業のコンサルをさせていただきましたが、99%の失敗は、実はあとからリカバリーできるものばかりです。

「顧客に提出するプレゼンテーション資料に重大な誤りがあった」「新製品のプロモーションの際、誤った価格情報を含むメールを大量の顧客に送ってしまった」「プロジェクト管理において、部下が締め切りを勘違いしてしまい、重要な資料が遅れて提出された」……。

想像するだけでゾッとする方もいるかもしれませんが、よくよく考えてみてください。これらも、すべてリカバリーできるものではありませんか?

私は現在、従業員を抱える経営者であり、1人の経営コンサルタントでもありますが、従業員の業務の進捗や詳細なメールは、よほどのことがない限り確認しません。

もちろん、ときにはそのスタイルで客先と大きなトラブルが生じることもあります。また、従業員が重大なミスを犯し、クライアントに大きなご迷惑をかけてしまうこともありました。そのようなときには私もリカバリーに追われることもありますが、これまでにリカバリーできなかった従業員の失敗は一度としてありません。

ならばいっそのこと「失敗させればいい」。手取り足取り教えるよりも、自分でやらせてみて失敗から学ぶほうが、結果として早く成長します。

つまり「わざと恥をかかせる」。

こう接することで部下は勝手に育ちます。何より、部下が自立できれば、マネジメントする立場であるあなた自身が、タスクの洪水に巻き込まれず、あなたにしか成果を出せない仕事に全集中することができます。

ぜひ、「教える」を捨ててみてください。社内全体でもその文化が浸透すれば、より生産性の高い企業に変貌を遂げることができますから。ただし、「口を出さない」という行為を徹底するためには、上の人間の胆力が必須条件になるでしょうが。

「仕事を任せる」4つのコツ

それではマイクロマネジメントをやめるために、部下とどのように接すればいいでしょうか。コツは次の4点を押さえることです。

①考えさせるための質問をする

たとえば、部下が「こうしようと思います」と言ってきたとき、あなた自身で「それで本当に大丈夫だろうか……」「もっとこうするべきなのではないだろうか」と、口を出したい衝動に駆られることはありませんか。

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