クレーム電話には「笑顔」が防御となる納得理由 怒りの感情に「同調」することをまず避ける

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ですから、相手が怒って電話をしてきた場合、何が怒りを呼んでいるのかを確かめる必要があります。たとえばすぐに電話をしてこなかったことが原因だとすると、そのときの悔しい感情なのか、不安な感情なのか、困った感情なのか、大元の感情をしっかりつかんでそちらにフォーカスすれば、クレームはおさまりやすくなります。

相手の意向を探る

ではどうやって、大元を探り当てるかですが、怒りの感情に同調することをまず避けましょう。「腹が立ったんですね」「それはお怒りですね」などと怒りの感情に直にふれると「そんなもんじゃないよ」とますます火に油を注ぐかたちになってしまいます。

そうではなくて、何があったのか、事実を聞いていきます。「どうされましたか?」「何がありましたか?」「何がお困りですか?」など、感情ではなく事実をたしかめます。そうすることで、怒りのもとにある一次感情に迫っていけるのです。

イメージとしては、取材をしている感覚です。「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」という「5W1H」をおさえるように、冷静に聞いていきます。事実関係がつかめると、「ああ、だからこの人は馬鹿にされたと思って悔しいんだ」とか「理解されなくて悲しかったんだ」ということがわかります。

でも一次感情が理解されないままだと、相手は理解してもらうために「そう言えばこんなこともあった」「こんなこともされた」とエピソードを引き出し、ますます怒りがエスカレートすることになります。

あくまで冷静に、客観的な事実から相手の一次感情を推測する。そしてそれに寄り添って「こちらも勉強不足で、きちんとご不安にお答えできずにもうしわけございませんでした」など相手の一次感情に寄り添ってコミュニケーションします。怒りの奥底にある一次感情をわかってもらえたと感じると、それで満足して、怒りがトーンダウンすることが多いでしょう。

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