「電動モビリティ」最大手のLime、日本再上陸の勝算 2026年までに日本市場で2万台の展開を計画

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しかし、コロナ禍での大幅な戦略変更の流れを受けて、Limeは一度日本市場から撤退した経緯がある。

ハートマンCOOは、2017年の創業から2020年までの間、Limeが世界中で非常に急速に拡大していたことを説明した。しかし、当時のLimeは現在とは大きく異なり、低価格のスクーターを使用し、都市との協力関係もあまり築けていなかったという。彼は当時のアプローチを「荒っぽい」と表現した。

日本市場への再参入のきっかけとなったのは、日本の規制環境の変化だ。2019年時点では日本市場は規制が厳しく、大規模な展開が困難だった。しかし、法改正により電動キックボードの位置付けが変わり、「特定小型原付」として認められたことが追い風となった。

2019年の日本参入の経緯から、KDDIとデジタルガレージはLimeの親会社であるNeutron Holdingsの株主でもある。この関係について、ハートマンCOOは「KDDIさんとデジタルガレージさんは弊社の投資家であり、今後も継続的に対話を進めていきます」と述べ、両社との関係の重要性を強調した。

適度な規制があるほうが競争しやすい

ハートマンCOOは、日本のような適度な規制がある市場のほうがLimeにとって競争優位に立ちやすいと指摘した。この点を説明するために、韓国市場での経験を例に挙げた。Limeは2019年10月に韓国市場に進出したが、わずか3年後の2022年6月にサービスを中断することを余儀なくされた。

「韓国では政府がマイクロモビリティをあまり規制していませんでした。そのため、プレイヤーが多すぎ、スクーターが溢れ、非常に混乱した状況になっていました」とハートマンCOOは述べた。規制が少ない市場では過度な価格競争に陥りやすく、安全性への投資が困難になると説明した。

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