「電動モビリティ」最大手のLime、日本再上陸の勝算 2026年までに日本市場で2万台の展開を計画

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三井住友海上との提携
三井住友海上は保険を引き受けるだけでなく、啓発活動やポート拡充でも協力する(筆者撮影)

日本特有の問題として、6km/hモード以外での歩道走行が記者から指摘された。これは歩行者の安全を脅かす重大な問題だが、サイ氏の回答は「GPSデータを活用して不適切な利用を検知し、警告を出すシステムの導入も検討している」というもので、具体性を欠いている。

歩道走行の検出についてはGPSデータだけの活用では技術的に難しい。サイ氏の回答はLimeが現時点で歩道での高速走行を技術的に検知し、完全に防止する仕組みを持っていない可能性を示唆している。6km/hモード以外の歩道走行を防ぐ技術的解決策の早期導入は、今後のLimeの日本展開における重要な課題となるだろう。

新たなモビリティ、普及のカギは

Limeの日本展開において、当面の最大の課題はポートの確保だろう。サイ氏は「電動キックボードが浸透すればポート用地は増える、今の課題が5年後も課題とは限らない」と楽観的な見方を示したが、当面は用地不足が深刻な都市部でポートをどう確保するかが喫緊の課題となる。

国内展開の浸透では、地方都市との連携のあり方が注目される。都市部とは異なる形の協力関係が求められる中で、Limeが掲げる「地域との強固な関係構築」というポリシーがどのように実践されるか、その真価が問われることになるだろう。

安全性の向上は継続的な課題となりそうだ。Limeは交通安全教習など啓発活動を積極的に行う方針を示したが、歩道の高速走行への対策など、技術的手段で解決すべき課題も残されている。

これらの課題にLimeがどう対応し、克服していくかが、同社の日本市場での成功を左右する重要な要素となるだろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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