「電動モビリティ」最大手のLime、日本再上陸の勝算 2026年までに日本市場で2万台の展開を計画

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テープで囲うだけの簡易なポート
テープで囲うだけの簡易なポート設置方法を採用。先行するLUUPと同様の方式だ(筆者撮影)

安全性の課題

電動キックボードを巡っては、交通マナーや安全性について懸念を持つ人が多いことが、統計などで明らかになっている。警察庁の発表によると、2023年7月の改正道路交通法施行後、電動キックボード利用者の交通違反摘発件数が急増している。施行から2023年12月末までの半年間で、全国で7130件の違反が摘発された。特に懸念されるのは、違反件数が月を追うごとに増加していることだ。7月には405件だった摘発件数が、12月には1879件と約4.6倍に上昇している。

このような状況下、Limeは安全性確保のため、一般的な電動キックボードの乗車時の取り決めを徹底している。具体的には、利用開始時に年齢確認を行い、安全に関するクイズに全問正解することを義務付けている。これにより、利用者の安全意識を高め、基本的な利用ルールの理解を促進している。

加えて、Limeは独自の安全対策も導入している。ヘルメット装着率を高めるため、「ヘルメットセルフィ」というインセンティブ制度を設けている。これは、ヘルメットを着用した状態で自撮り写真をアップロードすると、10%の割引が適用されるというものだ。

また、交通違反者に対しては厳しい姿勢を取っており、違反が確認された場合にはアカウント停止の可能性があることを明確にしている。

「ヘルメットセルフィー」
ヘルメットを持参し、装着した自撮り写真をアップロードすると10%引きする「ヘルメットセルフィ」というインセンティブを用意(筆者撮影)

最初の包括的提携を発表した企業が三井住友海上であることも、安全性の課題と向き合うために必要なことなのだろう。

三井住友海上は安全性の課題を巡って、適切な保険商品を通じて、万が一の事故やトラブルに備え、利用者が安心して電動キックボードを利用できるようサポートしていく方針だ。また、安全運転の啓発活動や利用者教育の推進にも積極的に取り組むという。

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