台湾の大富豪はなぜ球団経営に夢中になるのか プロバスケ球団をめぐる金持ちたちの遊戯
「暗闘は終わっていない」「引き続き注目だ」。プロバスケットリーグのある関係者はこんな言葉をこぼした。
さらに最近の台湾バスケ界に吹き荒れている暴風雨の中心にいるベテランスタッフは、次のように語り、頭を抱えていた。
「すべてがものすごいスピードで変化している。もはや時間単位で起きているようだ」
背後にオーナーたちのプライド
6月22日、2024年のリーグ優勝を勝ち取ったばかりの新北キングスの王文祥会長は、長年噂されていた2大リーグの合併について本格的に始動させ、他球団に呼び掛けた。
それから1カ月もしない間に、P. League+(PLG)の6球団とT1の5球団が水面下で暗闘を開始する。そして7月16日までに、新リーグで7球団、PLGで4球団の状況になっている。
長らく両リーグの合併は、全11球団とも賛成していると伝えられていた。台北台新マースのゼネラルマネージャーで台新銀行副会長の尚瑞強は、一ファンの立場からリーグの合併はゲームをより面白くするのでメリットが大きいと語る。
それにしても、球団にとってもファンにとっても利益が大きく、皆がリーグの合併に賛成していたのに、なぜ破談となってしまったのか。
T1のある大株主は、慎重かつ的確にこの状況を教えてくれた。
「球団のバックには皆、大企業のオーナー社長がいて、いわゆる即断即決、他人のことをあまり聞かない人ばかりだ。誰かが一歩でも退かない状況に陥れば、即破談に陥るのは明らかだった」
今回の合併での最大のプレーヤーは選手たちではなく、球団と企業を抱えるオーナーたちの夢と理想のぶつかり合い、プライドの戦いだったのである。
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