台湾の大富豪はなぜ球団経営に夢中になるのか プロバスケ球団をめぐる金持ちたちの遊戯

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そして富邦と璞園はT1の台南台鋼ゴーストホークスに加入料無料でPLGに入るように誘う。

関係者によると、新リーグ会議で、台鋼ゴーストホークス代表は新リーグを離れたくないものの、PLG側が出した条件がグループの謝裕民会長を突き動かし、富邦らと歩みを同じにすることを決めたと言う。

そして中国資本参入疑惑の高雄スティーラーズである。前GMの陳冠豪氏が人を使って暴露記事を書いた記者の車を破壊したり、契約選手が一時2人しかいなくなったり、業界ではリーグからの撤退の声がやまない。

そのため新リーグへの加入はプレッシャーがあり、できるならPLGの存続にかけたい。そのような中、台鋼ゴーストホークスの加入で4球団となり、試合運営が可能となったのだ。

そして現在の時点で、合併物別れの状況はほぼ決定。PLG内部もマスコミ工作を開始し、来季のドラフト指名の情報を流してムードを盛り上げ始めている。

新リーグでは各球団の共通認識を図る方法を採用しているため、議案の決議に時間がかかり、重要な規定などがいまだに発表されていない。それにしても、発足前に会長を委任した前桃園市長の鄭文燦が汚職で捕まってしまったのは、前途多難の船出を象徴する出来事だった。

来場者収入は約30億円

最終的に、新リーグはかつて台湾のリーグに在籍していたウィリアム・アルティーノの台湾国籍取得や台湾代表に選ばれた選手の保険や出場費用の提供、「国籍法」の修正を推進した立法委員の荘瑞雄議員の会長就任などで、辛うじて排他的で汚職のイメージを抑え込んだのだった。

現在のところ、PLGの新北キングス、新竹御頂ライオニアーズ、フォルモサドリーマーズ、桃園台啤永豊レオパーズ、高雄全家アクアスなど7球団が新リーグの設立で同意。リーグ名を「台湾プロバスケットボールリーグ」、略してTPBLとすることに決定した。

新リーグに参画するあるオーナーは、「TPとはT1とPLGが合併したことを暗に示す言葉だ」と、笑みを浮かべたのだった。

さて、富邦ブレーブズと璞園パイロッツの側についたのは、台鋼ゴーストホークスと高雄スティーラーズ。引き続きPLGでシーズンを戦うこととなった。

8月12日にはドラフトが開催されたが、台鋼ゴーストホークスと高雄スティーラーズの成績不振と、それをカバーするための人気ドラフト選手の指名辞退が発生。PLGの運営に暗い影を落としたのである。

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