台湾の大富豪はなぜ球団経営に夢中になるのか プロバスケ球団をめぐる金持ちたちの遊戯

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2リーグ11球団の中で、少なくとも台湾3大金融グループはすべて参入している。最も実力があるのはPLG富邦ブレーブスのオーナーである富邦グループだ。

資産は数兆台湾ドルを超え、2023年は営業利益600億台湾ドルを叩き出した。プロスポーツに対し並々ならぬ思いがあるオーナーである蔡家だが、その「第2会長」と称される富邦金融グループの蔡明興会長は、過去に中華民国バスケットボール協会理事長のポストを欲していると噂された。

子息の蔡承儒氏もバスケットボールに夢中。PLGにおける蔡家の影響力は計り知れないのは言うまでもない。

大企業が全面的にバックアップ

T1では、新北中信DEAの中国信託金融グループの辜仲諒会長がいる。2022年にアジア野球連盟の会長に就任以降、野球界における影響力は一段と上がった。そしてバスケットボール界でも中信DEAはT1草創期のメンバー球団として発言力がある。

日本統治時代から続く名家である辜家のスポーツ産業への投資は、富邦蔡家に引けを取らない。中信DEAは7000億台湾ドルの価値があるとされ、営業利益では500億台湾ドルを叩き出した。豊富な資金力と旺盛な投資で、中信DEAはT1のドンと目されている。

その他の球団も侮れない。台北台新マースは設立こそ遅かったが、オーナーの台新金融グループの呉昕豪会長の強力なバックアップもあり実力十分だ。

長年バスケットボール界に貢献してきた璞園建築の李忠恕会長は、業界の長老級人物とされている。璞園グループは近年、業界10指に入るほど企業業績は好調、傘下の桃園璞園パイロッツも資金力十分の状況だ。

さらに台湾版経営の神様と言われた台湾プラスチックグループの王永慶氏の子息である王文祥氏は新北キングスを有する。

T1の高雄全家アクアスのオーナーは国揚建設の創業者である侯西峰氏であり、台南台鋼ゴーストホークスのオーナーは台鋼グループの謝裕民会長、桃園台啤永豊レオパーズは新エネルギーの雲豹エネルギーが有している。

フォルモサドリーマーズは物流業界の重鎮である海碩グループの2代目・韓駿鎧会長と靴製品OEM大手のダイヤモンドグループが所有している。

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